Carbon to nitrogen ratio
土づくりにおいて、堆肥やその使い方を考えるときに、C/N比や窒素飢餓を念頭におく必要があります。
有機物に含まれる炭素(C)含有率(%)と窒素(N)含有率(%)の比をC/N比と言います。
有機物の種類により様々な値をとりますが、この値は有機物の微生物による分解の難易、肥料の現れ易さ、
また堆肥の腐熟程度などを評価する場合の重要な指標になります。
たとえば、ある有機物に炭素100g、窒素10gが含まれている場合、この有機物のC/N比は10となります。
◆各種有機物のC/N比 [表1]
有機物 | C/N比 |
大豆カス・魚カス | 10以下 |
土壌腐植 | 10~15 |
腐熟堆肥 | 15~20 |
畑作物茎葉(とうもろこし・てんさい等) | 20~50 |
稲わら・小麦など | 50~100 |
樹皮(バーク) | 100以上 |
通常、土壌中で十分に分解された有機物のC/N比は10程度、新しい落葉は50、稲わら70、堆肥15程度となっています。
C/N比の大小は利用できる土壌中の窒素量と密接に関係するのですが、C/N比の高い有機物が土壌に加えられると、
土壌微生物はその分解に必要とする窒素を有機物以外の土壌中から吸収してしまうので、作物は窒素不足の状態になってしまいます。
そのため、稲わらや麦わらなど炭素含量の多い有機物をそのまま土中に施してしまうと、窒素不足の害が出てしまうので、
窒素肥料を補うか、稲わらや麦わらを早く分解させる必要があります。
逆に、大豆カスなどのC/N比の低い有機物を使えば、余剰の窒素は無機化して作物に利用されやすくなります。
次に、C/N比と微生物の関係についても、しっかりと理解しておく必要があります。
有機物に対する微生物の作用(分解・無機態窒素の放出)は、一般に有機物のC/N比の高低により影響されています。[表2]
C/N比の低い(20以下)有機物は、一般に分解が早く、しかも分解過程で無機態窒素を放出するので作物に対する肥料的効果が早く現れます。
大豆カスや魚カスなどは、その典型的な有機物です。[表1]
一方、C/N比の高い(30以上)有機物では分解が遅く、分解過程で生成する無機態窒素は微生物の養分として取り込まれるので、肥料的効果の発現は遅れます。
◆C/N比と微生物作用の関係 [表2]
微生物の作用 |
有機物のC/N比 |
有機物の分解 | 速 い ⇔ 遅 い |
無機態窒素 | 放 出 ⇔ 取込み |
窒素飢餓発生 | な し ⇔ あ り |
堆肥の腐熟度 | 完 熟 ⇔ 未 熟 |
このC/N比を理解したうえで、C/N比が高い有機物を扱う場合、使い方次第でメリットはあるものの、
その使い方を誤ってしまうと「窒素飢餓」という状態に陥ってしまいます。
「窒素飢餓」というのは、C/N比の高い有機物の分解過程で微生物による窒素の取り込みが土壌中の無機態窒素にも及び、
作物の吸収できる窒素が不足する状態を言います。
これを回避するためにC/N比の高い有機物を使う場合の対応策は下記の二つ。
1 あらかじめ有機物を腐熟させC/N比を20~30以下、つまり堆肥化し、
微生物による窒素の取り込みが起こらないようにして施用。
2 その有機物施用時に、そのC/N比が20~30程度になるように窒素肥料を添加することです。
これは微生物による窒素の取り込み分を予め肥料窒素として与え、作物側に窒素不足を与えないようにするためです。
農作物が成長するうえで、C/N比は絶対におさえなければならない知識の一つです。
ただ、APEX-10(エーペックステン)は自然の土壌本来の骨格ともいえる腐植です。
すなわち、APEX-10を使用することで、少々C/N比の高い有機物を使用しても分解速度をさほど心配することなく、
窒素飢餓にもならず、結果、美味しく、しっかりとした品質と収量が得られるようになるのです。
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長野県小県郡長和町長久保1643番地
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